天駆ける時間35

ユータ  2006-07-10投稿
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コンクリートのように硬い鱗。カケルは全力で駆け上がっていった。
「生意気な!」体をくねらせカケルを振り落とそうとする。「うわっ」足をすくわれ体が滑る。下は雲しか見えない。「死ね!小僧!!」「うぉぉぉ!!」無我夢中だった。劍を突き立て何とか滑りのスピードを落とそうとする。「くっ、我が鱗に傷をつけるとは見事なり!だが…もはやここまでよ!」グンッと体をもっていかれる。龍は垂直に真上に上がり始めた。そして「さらばだ…哀れなる者よ」いっきに身をよじり鞭のように体をしならせ、カケルを真下に振り落とした。「うわぁぁぁ!」耳元で風が切れていく。雲が近くなり、龍が遠くに見える。
(死にたくない…死にたくない!まだ死にたくない!空を飛べないだけで、なんだよ!死にたくねぇ!)
望め…(えっ?)心力は…想う力。汝の想いが力になる。(想う…力…)
カケルは両手を握りしめた。この声の正体とかなぜ聞こえるのかとかどぉ〜でもよかった。ただ…勝ちたかった。俺も空を飛んで風になりたかった。
(羽がほしい…大空を自由に飛べる翼がほしい!)汝の願い…聞き入れよう。
カケルは光りに包まれた。柔らかくて優しい光りに…

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