「ありがとう、大和君」
桜の言葉を聞いて、私は病院を後にした。
家に帰ると、信じられない出来事が私を待っていた。「じいちゃん、何これ?」私は祖父のいきなりのプレゼントに頭を悩ませていた。
「桜ちゃんに似合うと思ってな。特注で頼んでたんだよ」
と言う品物は、ピンク色に染まったドレスだった。
桜らしいちゃあらしいのだが、ドレスを出してくるとは思わなかった。
「幾らしたのこれ?」
値段を聞くと、
「20万かのぉ」
平然と言ってきた。
20万だぁ〜?
「じゃが、これはお前の名義で買ったから、お前が払うんだぞ?」
「は?」としか言えず、凍っていたが、直ぐ様
「嘘じゃよ、借りにしとくぞ。お前がわしに払えばいいんじゃからな」 大声で笑いながら、去って行く姿を見て、昨日説教した人は誰だよ!っと私は思うしかなかった。
じいちゃんの行動も、たまに呆れる時がある。20万を払えって、いきなり言われてもバイトをしていなかった私は、次の日から働く所を探すはめになった。 でも、あのドレスを着た桜を見たいという気持ちもあり、必死に働いていた。