「そろそろ帰んないとね」
「そだね」
「家まで送るね」
「ありがとう。そだ。ヒロちゃん、手」
「ん?」
手を出したら、あーちゃんがオレの手を握った
「おうち帰るまでいつも手繋いでたじゃん」
「いゃ、そだけど…」
「昔を思い出すね〜」
「そんなもんすかね、恥ずかしいじゃん…」
「なんだよぉ〜もう少し男らしくできないんですかねぇ…」
「ムリっす、すいません…」
「謝るんだったら許してあげようかなぁ〜でも昔やってくれたことしないとダメ」
オレはわかってたが知らないフリをした
「なにやってたっけ?」
「え〜もうヒロちゃんサイテー知らない」
「はいはい。すいませんでした」
頭をなでてあげた
「それそれ」
あーちゃんが泣いたり怒ったりしたときはオレが頭をなでてあげてた
逆に帰るときやってもらってたこともあった
「あーちゃんなんも変わってないのぉ〜」
「ヒロちゃんも背が伸びただけじゃん」
「オレは男としてだな…」
「はいはい。もう着いたよ」
あーちゃんの家に着いていた。まさかこんなすぐに着くとは思ってもいなかった
「ヒロちゃん、ちゃんとおうち帰れる?」
「お?優しいね!」
「ふふふ」
「余裕っす」
「そか、じゃあまた今度遊ぼうね」
「ほいっす」
その瞬間あーちゃんがオレの頬にキスをした
「じゃあね」
「お、おう」
歩いて駅まで行って電車に乗って自宅に帰った
(あーちゃんもおぼえてたんだなぁ)
頬の感触を忘れないうちに、あーちゃんへメールしてさっさと寝た
次の日から楽しかった
朝、あーちゃんから電話がきて起こされる
あーちゃんのほうが学校が遠いからはやく起きる
「おはよ〜遅刻しないようにね」
「うっせぇ!まだはええんだよ!」
「はいはい。それじゃあまたね」
こんな朝の電話が毎日あった
学校でも暇なときがあればお互いメールしていた
オレはすごく嬉しかった。すごく楽しかった
そんなとき、あーちゃんから連絡が3日間完全になくなった