奈央と出会えたから。<342>

麻呂  2009-04-02投稿
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ユカ。



今日は学校休んだケド、家にいるのかな。



メールをすればいいだけのコトなのに、何故か、躊躇してしまう。



話したい。



今は、ただユカに会って話したいっっ。




『奈央‥‥。さっきから何か気付かないか?!』



不意に聖人があたしに言った。



『え‥‥?!何が?!』



そう――



聞き返したあたしの横で、聖人が何かに気付いたらしい。





『誰よ?!さっきから俺らの跡をつけてるのは?!』



聖人がピタリと足を止め、そう言うから、思わずあたしも立ち止まる。





『‥‥いやぁ、北岡君。よく、僕の気配に気付いたねェ‥‥。』



突然、あたし達の背後から聞こえた、少しトーンが高めのその声――



後ろを振り返ると、


そこには、



中性的な容貌の、1人の正しくイケメンと言うに相応しい、美しい少年が立っていた。



どこかで見た!!



このヒト!!



あ‥‥‥。



ユカから見せてもらった写メ。



もしかして‥‥‥。


このヒトが、ユカの付き合ってるヒト!!



森宮ヒロキ???





『テメェ‥‥誰よ?!何で俺らの跡をつけやがる?!』



キッ―――\r



そのトキの聖人は、いつもの優しい聖人じゃなかった。



目は鋭く目の前の男を睨みつけている。


2人の目線は、僅かに聖人の方が高く、


どちらかが目を逸らさない限り、



その鋭い2つの視線は、互いに睨み合ったままの状態に思われた。





『僕が誰かは、既に見当ついてるだろ?!コソコソと僕について嗅ぎ回っているのは分かっているんだよ?!

クックック‥‥。なるほど、君もなかなかのイケメンだねェ‥‥。まぁ‥僕には及ばないケドね。

何故なら、僕は世界で1番美しい男だからサ。』



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