つい数分前の出来事が頭から離れない。
中野はクラスのリーダーみたいな存在でスポーツも勉強も出来た。女子で中野を好きな人は何人もいた。
私もそんな一人で…
憧れるだけで、想うだけで幸せだった。
だから中野に好きな人がいるって聞いた時に私の恋は卒業と同時に終わった。
「知夏、大丈夫?」
「うん、平気」
桜が心配そうな顔をした。
こんな新しい一日に暗い気持ちはやめだ。
気持ちを仕切り直して四組に入るとほとんど知らない子がだった。
するといきなり後ろから
「教室入りたいんですケド」
その聞き覚えがある声は
「久遠…」
なんであんたと一緒?
はっきり言って私は久遠が嫌い、苦手。
何考えてるかわからないし性格いいとは思えない。
でも理沙の好きな人。
「邪魔」
桜が怖がって私に抱きついてきた。
理沙はこんな奴のどこがいいんだか?
私がにらんでると
「ブスッ」
むかつく!!ありえない!!
悔しいことに…久遠はクォーターで容姿端麗。頭も外面もよくて、だいたいの人は天使久遠しか知らない。
悪魔久遠を知っている人は
「知夏、桜四組やだ」
私もだよ…
楽しい中学時代は?
キラキラの制服時代は?