私はクリスマス・イヴも、クリスマスも一緒に居ようと、一安と約束していた。
だから、私は亮の誘いを断り、クリスマスは一安と逢った。
クリスマス・イヴの夕方、一安が私を迎えに来てくれた。
私はクリスマスプレゼントに、一安が欲しいと言っていたパーカーを買って行った。
そのパーカーを渡すと、一安はすぐに着替えた。
一安は嬉しいと言った事はないが、態度が解りやすい人だった。
一安は笑顔のまま
「高速乗って夜景見に行く?」
「うん」
「でも、まだちょっと明るいから、ガソリン入れて、コンビニで飲み物買ってから行こうか?」
「うん」
一安は私が、されて嬉しい事をちゃんと知っている。
ガソリンスタンドに着くと、一安は車を洗車機に入れた。
洗車機が動き出した時だった。
一安が自分のポケットから、小さい紙袋を取り出した。
紙袋から出て来たのは、ピンクと黒の小さい鈴だった。
「お前ピンクね」
一安はそう言って、私に鈴を手渡した。
「これ何?」
私が聞くと
「こないだ、友達に付き合って神社に行った時に、ついでに買った良縁のお守り」
一安は恥ずかしそうだ。
「良縁て何?」
私は更に、質問した。
「良縁は良い縁だろ」
一安は更に恥ずかしそうにしていた。
「ありがとう」
私は、嬉しかった。
だって、ついでに良縁のお守り買う人なんて、居ないと思ったから。
その後、一安の隣で見た夜景は、キラキラして、このままの一安で居てくれるなら、今の一安となら、私はいつまででも一緒に居たいと思っていた。