『来週の金曜暇?』
貴方の誘い
一瞬良からぬ期待
『暇ですよ』
もちろんそう答えた
詳しく聞けば二人ではなかった
職場のお偉いさんとの飲み会に誘われただけだった
全員で四人
そうよね
二人な訳がない
期待は掻き消した
でも女性は私だけ
その飲み会に何故か私は誘われた
私を選んでくれた
それだけで十分
飲み会は楽しかった
貴方がいるから
他の二人が話している間は貴方と話をした
大切な時間
貴方の好きな人の話はしなかった
聞きたくないから
その日は席替えの席が決まっていた
望んだ事だけど貴方とは席が離れた
知らされた時は正直ショックを受けた
貴方はそれを知らない
だから言った
『席替え見ました?』
当然貴方は頭を振った
『席、離れましたよ』
反応を息を飲んで見た
『そうなんだ』
貴方が目を反らした
『それだけか』と口に出しそうになった
『私端っこになりましたよ、寂しいですね』
その寂しいには別の意味を含んでいた
『寂しいね』
貴方が言った
一体その言葉にはどんな意味が
どんな思いが含まれているのだろう