予感は的中。
「親父…ガンなんだって…」
「ホントに…?」
「うん。近いウチに手術するらしいわ。いろいろあるけん、佳さんにも迷惑かけると思うけど…」
「そんなん別にいいよ。今はお父さんの事考えんとね」
「うん。…そう言ってくれると思ってたわ。ありがと」
ガン…っていっても、検査の結果は、切除すれば命の危険は少ないだろう…という事だったみたいで、少しだけ安心してたみたいだった。
手術は無事成功して、お父さんは回復に向かっていった。
三ヶ月後には退院出来て、次の月からは仕事に出て行ったらしい。
入院中もずーっと、仕事がしたいって言ってたらしいから…。
それから一ヶ月後…
「親父がまた入院する事になった…」
「ええっ!何で?」
「転移しとったらしい…調子が悪いって言いながら仕事に行きよったんよ。あんまりにも、おかしいけん病院に行ったらそう言われたらしい」
「ホンマぁ…また大変じゃね」
「うん。ごめん。また迷惑かけると思うわ」
「それはいい…って言ったろ?」
「ホントにありがと」
そう言って涙を流した法くん…ホントに泣き虫なんだから…。
男の人に泣かれたら、アタシが泣けんじゃない!