【やっと見つけた俺の居場所】
俺の身体が炎の中に消え
小さな箱に入ってから
遺族だか親族だかわからないが 普段ほとんど付き合いのない奴らが集まって
俺を遠い世界に送ろうとしていた
俺は 奴らに抵抗するかのように躍起になって暗闇をさ迷い続けた
まりもの所に戻りたくて暗闇をさ迷い続けたが まりもも同じように別の暗闇をさ迷っていた
まりもの身体は地上に存在して機能していたが 魂は暗闇の中だった
やがて その機能にも支障がでてきた
まりもの身体は病に侵されていて 地上から消える手前だった
まりもの魂がさ迷っている暗闇が俺の暗闇と同じならば いわゆる「道連れ」もありだと思うが 全く別の場所に魂が存在するから
今 まりもの身体を地上から消してしまったら 今度こそ永遠に会えなくなるかも知れない
今 俺に出来ることは まりもの身体も魂も地上に残す事だった
「あと一日病院に来るのが遅かったら 貴女の命はなかったかも知れませんよ」の医師の言葉を聞きながらまりもは「昨夜夢で見たんです 大好きな彼氏がお願いだから病院に行ってって 言ってくれたんですよ…」と返事していた
声には出していなかったが
俺の身体が地上から消えて4ヶ月経った
ホワイトデーの前日 まりもは綺麗にしてお出かけしていた
俺とでーとしてたときより少し痩せたけどかわいらしさは変わらなかった
またまりもとてーとしたくなった俺は 夜中スヤスヤ寝ているまりもに近づいた
日付は変わりホワイトデーの日になっていた
まりもの大好きなホワイトチョコの色の部屋で チョコよりも甘い時間を過ごした
4ヶ月ぶりのでーとで
やっと見つけたんだ
俺の居場所を
〜完〜