なんとそこには自分たちの街が映っているではないか!
・・・えー、今日未明、この近所に住むパート従業員の○○○○さんが遺体で発見されました。事件を目撃した男性が発見したもので、死後三〜四時間しか経過おらず警察は殺人事件として犯人を捜索しています。なお、目撃者の証言によると背が高くピエロのような姿をしていたということです。以上、現場からでした。・・・
「マジかよ。全然笑えないぜ。まさかおれらの街が映ってるなんて・・・」
テレビを夢中で見ていた義春は昨日会ったピエロのことが頭をよぎった。
「あらやだこのニュースこの辺じゃない。物騒になったもんね。」
こんな母の言葉はもはや義春には届いていなかった。
(そんなバカな、あり得ない。そんなバカな、まさか。)
そんな考えばかりが義春の頭の中で渦巻いていた。そんな不安な気持ちを拭えないまま義春は学校へと重い足を前に進めて向かった。
雨はますます激しくなり、空では雷鳴がこだましていた。