私は着物を脱ぎ、普段着に着替えた。
二次会の場所には父親に送ってもらった。
私が二次会場に着くと、同級生が沢山集まっていた。
私も始めは友達を見つけ、一緒に騒いでいた。
そこに、まだ二次会場に到着していない一安から電話が来た。
早く一安に逢いたかった私は急いで、その電話に出た。
「一安?」
「今、近くまで来たんだけど、場所がいまいちわかんないから、お前外出て来てよ」
「うん」
私は電話を耳にあてたまま、急いで外に出た。
外に出ると、目の前に一安の車がいた。
私の姿が見えた一安は
「解った」
そう言って、電話を切った。
一安は車を停めに行き二次会場に来て、外で待っていた私と、会場内に入った。
同級生は皆、私と一安が付き合っていた事を知っている。
今も、私と一安が付き合っていると思っている人が沢山いた。
私と一安が一緒に居ると、同級生が質問する。
「一安達、もう付き合って何年?」
同級生が私と一安に聞いた。
「何年だっけ?」
一安が私に振ってきた。
「九年かな」
私は、笑顔で嘘を着く。
その嘘に一安も笑う。
「長いね」
同級生は信じている。
そんなやり取りを二、三人の人と繰り返し二次会場で、私と一安はすっかり恋人同士だと思われていた。
それが嬉しかった私は沢山お酒を飲んだ。
二次会が終わる頃、私の友達がカラオケに誘てきた。
そのカラオケに行くのは、同級生皆では無かったが、友達の一人が仕切り始めて、私も連れて行かれる事になった。
私は一安に
「あゆこれから、カラオケ行かなきゃいけないんだケド、行っていい?」
聞いてみた。
「どうやって行くの?」
一安が聞いてきた。
「タクシーに乗せられて行くみたい」
私は、酔っ払っていた。
「俺も、行ってやるよ、お前が居ないのにこんな所居てもしょうがねぇだろ」
一安は優しく笑う。
「うん」
そして、完全に飲酒運転の一安の車に乗り同級生に見送られ、カラオケ屋さんに出発した。