それから―\r
ロザラムはこれまでの経緯を全て話し、恩赦が認められた事によって、手引きした件については不問に処せられた。
しかし、リグラはロバート殺人に関しては許さず、ロザラムに禁固八年の実刑判決が下った。
「行ってきます」
ロイはそう言って、花束を持ちながら町の近くにある墓地に向かった。
あれから二月…か。色々あったな…―\r
天を仰いで青空を見つめながら、ロイは一つ小さく息を吐いた。
ミリスとエミリア、セイルとサリアはロイの家で暮らすようになった。
エミリアはロザラムの様子を見に週に二回は必ず城へ行っている。
ルイスは騎士見習いになり、毎日修行に励んでいるという事だった。
リリーはどこかの町で元気にやっているらしい。
ロイは墓地に着いて三つ並んだ墓の前に立つと、花束をそっと右端の墓に置いた。
墓の前にあるネームプレートには「ユミナ」と印字されていて、その左にある墓には「リア」と印字されていた。
ユミナ姉さん、ごめんなさい。リアの側に埋葬してあげる事しかできなくて…―ロイは悲しみを帯びた表情で、天を優雅に飛ぶ鳥達に目をやった。
今、貴方に魂の安らぎが無くても、それを願う人の側にいて欲しかったから…
FIN