私は夫の相手が誰だか聞いた。
「誰?」
「私の知っている人? 知らない人?」
「何処に住んでるの?」
「何歳?」
「君の知らない人だよ」
「仕事関係で知り合ったんだ」
「たまたま、魔が刺しただけなんだ」
「惚れていたわけじゃない」
「いつ?」
「どこで知り合ったの?」
夫は観念したように重い口を開いた。
「賀詞交歓会の時に名刺交換したんだ」
「○○社のAさん」
「なら、出席名簿に載ってるわね?」
「・・・」
夫の眉毛が少し動いた。
「貴方は何度も謝って、私が一番大事だって言ってた。」
「でも、また私を騙してる。ねぇ、楽しい?」
「・・・」
「判ったわ、貴方から真実を聞くことができないなら、自分の足で真実を探すから」
「・・・」
「貴方にとって何が一番大切なのかちゃんと考えたほうがいいわよ。」
「私に怖いものなんてないのよ!!!」
暫くして夫はボソボソと話し出した。
夫の愛人は「サワイ シュウコ」と言った。
「信じてくれ僕は君を愛してるんだ」
「君が一番大切なんだ」
と何度も繰り返している・・・
「サワイ シュウコ」は
夫が経営する会社の従業員だった!