『この野郎‥‥黙って言わせておけば‥‥‥。』
グググッッ―ー‐
聖人の拳は、今にも森宮の顔面に放たれそうなほど、強く握りしめられていた。
『クックック‥‥。聖人君、暴力はいけないよ、暴力は。
これからは知性と教養の時代だよ?!
もっと先を読めよ、先を。
君の様なヤツがいるから、“近頃の若者は”なんて、バカな大人にバカにされるんだ。
もっと頭使えよ、頭。
要領よくやろうよ。
なんなら僕‥‥女の子紹介しようか?!』
森宮は、尚も挑発的な言葉を畳み掛け続ける。
『‥‥いい加減にしろよ‥‥森宮‥‥。』
聖人の眼光が更に鋭くなる。
『あっはっはっは。だから、そう怒りなさんなって!!
そこの女の子は、君の彼女でしょ?!
もうエッチはしたのかなぁ‥‥?!』
森宮の視線は、聖人の横に立つあたしに向けられた。
カアァァァ―――\r
な‥何なの‥このヒト‥‥。
いやだ‥‥‥。
やめてよ‥‥‥。
顔が熱くなるのを感じた。
『‥‥もう、その辺にしといた方が身の為だゼ‥‥森宮‥‥。』
聖人の怒りが、更にその眼光を鋭くさせる。
『あはははは。
聖人君‥もしかしてドーテーだってコトないよねェ?!
だったら大スクープだねッ!!
あの一匹オオカミの北岡 聖人は、実は、まだエッチしたコトないでちゅ〜♪』
バキッッ―ー‐