「すげえ」
「こっちはかなりでかいよ」「人によって大きさも形も違うんだな」
「うちの母ちゃんこんなんだ」
「ばか、お前の母ちゃんのなんか知らないよ」
大豆がボクの頭を叩く。皆、思い思いを口にした後は黙ってエロ本に見入っていた。
「でも、なんで女は胸がふくらんでいるんだ?」
大豆が真面目な顔をして言う。
「そりゃ、だって男の胸がふくらんでいたらおかしいだろ」
「だからそれを疑問に思ってんじゃん」
きゅうりがとんちんかんな事を言ったもんだから大豆が突っ込む。
「男と女の違いを示すせいもあるけど、赤ちゃんにおチチをあげる為じゃないの?ほら、母乳っていうだろ」
ボクが最もらしい意見を述べるときゅうりが、
「さすがコアラ君。頭いいなぁ。オーストラリアにおばさんが住んでるだけの事はあるよ」
「別に外国に親戚が住んでるのは関係ないじゃん」
ボクより先に大豆が突っ込んだ。きゅうりがげらげらと笑った。
ボクと大豆が見てたエロ本から一枚のプリントが地面にひらりと落ちた。
「なんだろう、この紙?」
拾って見てみるとアルファベットが並んでいて何かの図面を描いたプリントだった。
「もしかして何かの暗号文!?」
「宝物のありかを示してるとか?」
ボクときゅうりがはしゃぐ横で大豆が、
「そんな訳ないだろ。きっとパソコンから印刷されたただの書類のプリントだよ」と、冷静に言葉放つ。
「でも、なんでエロ本なんかに?」「さぁ。きっと気づかないまま挟んでこのエロ本を捨てたんんじゃない?」
「うーん、これは“A"でこれは“C”で、これはエッチだ」
「正確にはエイチって言うんだよ」
すかさず、大豆が突っ込みを入れる。
「まさか、埋蔵金を隠してる場所を表してるんじゃないよな」
「埋蔵金だったら普通はアルファベットは使わないだろ」
今度はボクが突っ込んだ。「そうだ!コアラ君のおばさんなら分かるんじゃない」
「うん、おばさんならこれに書いてある事きっと分かると思うよ」
「じゃ、とりあえずこのプリントはコンビニでコピーしてから警察に届けよう」
言うが早いか大豆は走り出した。それに続きボクも駆け出す。
「もうエロ本は見ないのかよう」
と、きゅうりのわめく声が後ろからしたがボク逹は背を向けそのまま走り続けて後ろを振り返らなかった。