私の趣味は、小説を書く事。書いて、たまに思うこと…。
――もし、ストーリーの中に入ったら…?――
私は『本間 りく』。私は、さっき小説を書くのが趣味とは言ったけど…実際は書くだけ。投稿は絶対しない。というより…本になる可能性0%という自信があるからだ。だから、書いてるだけ…。そんな…ある日…。ありえない事がおこるなんて…予想できない…いや、予想できたらそれはそれで凄い出来事がおこった…。
私が、原付を走らせてる途中…。
(ん?)
て思った。車道の真ん中に何か落ちてる…。何だろう…と思い拾ってみる。それは、シルバーの十字架(クロス)だ。真ん中に、ビー玉のような水晶が組み込まれている。
それは、ペンダントになっているらしく、鎖がついていた。
(…なんでこんな物が…?)
と考えた直後だった。その十字架から、眩しい光を発し、私は思わず目をつぶった…。意識が…遠退く…。
しばらくして、私は気がついてゆっくり瞼を持ち上げる。そこに、車道なんかなく、草原が広がっている。風がそよそよとふきつける。
(え?え?何?『光に包まれて気がついたら異世界に来てました〜…』っていう、よくあるオチ…?)
と悩ませた時だった…。
「そこの貴女。」
と、男性の声が響く。後から…。振り返るとそこに、超美男子が立っていた。スカイブルーの髪を一つに束ね、肌な白い方だ。恰好は、騎士団長のような身なりだ。とは言え、私服に近い物でそんなにかっちりしてはいない…。
…というか…こいつ…多分…。
「…まさか…ウィンベル・スロクス…?」
思わず呟く。ウィンベルとは、私が今書いてる小説の登場人物でヒロインと結ばれる(予定)の主人公だ。
彼は驚いて答えた。
「何故…私の名を…?」
「知ってるよぅ!だって…考えたというか…何と言うか…。」
モゴモゴ言う私にウィンベルは呟くように
「私は…そんなに名が知られてる程有名ではないんだが…。」
と言ってから続けた。
「私は、先程貴女がおっしゃった通り、ウィンベル・スロクスです。皆、ウィンと呼んでおります。」
ほら。私が考えた設定通り。ウィンは、ライトグリーンの瞳で私を見て
「貴女は?」
と聞いてきた。私は、スッと立ち答えた。
「私は、本間 りく です。」
「ホンマ・リク…か…。ではホンマさん…こちらに…。」
と私を誘導した。