私の隣で、秀がラブレターを読んでくれている・・・。
その姿をいとおしいと想いながら・・・そっと見つめる私・・・。
手紙を読み終えた秀は、少し黙っていた・・・
沈黙を恐れた私は、思い切って口を開いた。
『どうだった・・・?私の想い伝わった・・・?』
秀の顔を伺う私・・・。
『うん。なんか・・・すごい恥ずかしいんだけど・・・こんなに熱い手紙なんて、俺初めて貰ったよ・・・。なんか・・・こんな俺には、すげぇもったいないなぁ・・・。でも、本当にありがとう・・・』
秀のその言葉に、嬉しいような・・・切ないような・・複雑な気持ちだった。
『きっと、後ですっごい後悔するよ!こんな良い女、他にいないよぉ〜!こんなに想ってくれたのは、一生のうちに私だけだった〜って。あの時私を選んでいれば・・・って、想うよ・・・絶対』
『・・・うん。俺も、そう想うよ・・・』
刻一刻と別れの時が迫っている・・・
今の私には・・・精一杯、この時を大切にする事しか出来ない・・・。
それがたまらなく悲しかった・・・
今日が最後と決めたんだから・・・ちゃんと最後にしないと、ダメ・・・。
だから・・・今日の日の思い出を、秀との最後の想い出にする!
気づけばすっかり暗くなって、秀との約束の時間はとっくに過ぎていた・・・[8時30分]
『ごめんねぇ・・・こんな時間まで・・・。5時までの約束だったのに・・・』
秀に、また迷惑かけちゃったよ・・・。
でも、秀はやっぱり優しかった・・・
『良いよ全然。謝んないでよ・・・。どうせもう、学校行ってもあんま意味ないから・・・平気だよ』
そう言って、秀は私に微笑んでくれた・・・
その笑顔が、嬉しくて・・・
でも・・・
すごく辛かった・・・。