教室に入ると皆事件の話しばかりしていた。そこに朝ホーム前にもかかわらず、担任の柴崎が入ってきた。
「少し早いがホームルームを始める。携帯はなおせ、取りたくないからな。日直、号令。」
そういうと起立、礼、着席というお決まりの挨拶と共にホームルームが始まった。
「さっそくだが皆事件のことは知ってるな。今日はその対策を軍の方に説明して頂く。それではよろしくお願いします。」
それだけ言って柴崎はそそくさと下がった。見慣れない大柄な人が教卓に立つ。
「担当の古澤(ふるさわ)です。皆さん事件のことは知ってるそうなので特に説明はありませんが二つだけ。一つは犯人がロボットだということ。もう一つは被害がこれ以上出ないために国から刀が支給されるということです。何か質問は?」 不意に来た古澤の問いかけに皆意表を突かれたがすっと朝紀が手を挙げた。
「刀とは具体的にどんなものなんですか?」
「色々です。西洋の物から東洋の物まで幅広くあります。まぁ百聞は一見に如かずと言いますから先に皆さんにお配りします。適当に取りに来て下さい。」
朝紀の問いにすらりと答え、刀を配り始める古澤。
空では雷鳴が鳴り響き、雨は一向に止む気配はない。