そんな俺たちを見て、里西は持っているスケボーを差し出して、言った。
里「じゃぁ、成にこのボードやるわ」
成・登「!?」
里西は何気ない顔をしてるが、本気っぽい。
成「いや…いいよ」
里「いやいや、よかよ。俺もう一ついい板持ってるし。こっちは練習用やったけん」
登「よかったやん!成!里西様々やなぁ〜てっっげいい奴!」
俺は困った。
でも、ここで断ったら俺が空気を読めない人間であることは間違いない。
成「……………悪い。あっがとね」
里西は「あぁ、全然」と言わんばかりの表情で笑った。
里「んじゃあ、俺一回帰ってスケボー持ってくるわ。で、そのまま市内に出るや」
俺たちは、里西を待って、電車で一時間半ゆられ、市内に向かった。
登「なんてゆー店?」
里「SKiP。多分スキップって読むけど聞いたことないけん、わからんな。エスケーアイピーとかかも」
SKiPまではあっと言う間だった。
里「そこの角の店よ」
そこは、ガラス張りで、思ったよりこじんまりとした、でも雰囲気のある店だった。