店に入る。
妙に緊張する。
登美雄もなんとなくそわそわしているのがわかる。
しかし里西は堂々としたものだ。ほんとに同い年なのかと疑うくらい、大人びてる奴だ。
店に入っても、いらっしゃいませの挨拶もない。
店員は一人だが、彼の風貌は間違いなく店長だ。
壁一面に並べられた板、
ショーケースに並べられているウィールにトラックにビス、
他にもウェアやバックパックや小物で店の中はごちゃごちゃ溢れかえっている。
しかし、このごちゃごちゃのお陰で随分居心地が良くなった。
変に気取ったお高い店より全然いい。
登「どんなんがいいかねぇ〜?こんげあって、どうやって選べばいいと?」
里「最初は見た目から入ればいいが。まずは板からやな」
登美雄が物色している。
店長を見ると、こっちには全く興味を示さず、スケボーをいじっている。
登「板…板……板………!!
俺、これがいいかも!」
里「あっいいわぁ。かっけーよそれ」
登美雄が選んだのは、眼鏡をかけたsexy外人女性が転写された板だった。
登美雄らしい。
成「それどこの人や?」
里「アメリカやね?」
登「いや、どこでもいいしっ!決定や!次はトラック!?」
里「あー、うん。そやね!トラックは………」
2人はレジ前のショーケースを見て選び始めた。
俺は店内を見回した。