『俺・・・ちゃんと前に進めてるよ・・・。』
もう・・・時間は戻らない・・・。
どんなに願っても・・・・もう手遅れ・・・。
でも・・・皆が君の事を忘れても・・・・
俺は君と過ごした時間・・・忘れないよ・・・・。
プルルルルルル
蒼衣「んー・・・・。」
俺は携帯の着信音で目が覚めた。
窓から入る太陽の日差しが眩しくて俺は目を細めた。
誰だよ・・・・こんな時間に・・・・。
俺はベッドから体を起こして電話に出た。
”ピッ ”
蒼衣「はい。」
『お前、まだ寝てたのかよ!!!声が寝起き声だぞ。』
蒼衣「何だ・・・。潤か・・・。何?」
朝から大きな声・・・良くそんな声出るよ・・・。
潤『お前・・・今年も行かないのかよ・・・。』
蒼衣「何処に?」
潤『とぼけんなよ・・・。墓参りだよ・・。』
蒼衣「何だ・・・その事か・・用がそれだけなら切るよ。」
潤「あ、おい!!ちょ・・”ピッ”
俺は電話を切って携帯を閉じた。
墓参り・・・・・ねぇ・・・・。
アイツがこの世から消えて・・今日で3年・・・。
長かったような・・・短かったような・・・。
俺は葬式にも出なかったし、墓参りだって行ってない。
今でも・・・目をつぶればアイツの笑顔が頭に浮かぶ。
もし・・・墓参りなんて行ったら・・・お前との約束、
守れそうにないからさ・・・・。
なぁ・・・見てる?
俺、今お前がいなくてもちゃんと生きてるよ・・・?
俺・・・ちゃんと前に進めてるよ・・・。
お前の分まで生きるから・・・。
だから・・・ちゃんと見てろよ・・・・・。