あしたなんていらないから?

あめの  2006-07-11投稿
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――……いつもと同じ。


穏やかな朝。


昨日の明日。

明日の昨日。


今日。



いつもと同じようにやってきた。



1分1秒、狂うことなく今日はやってきた。




『狂ってるっていったら…………』



僕だ。



毎朝8時30分にに始まる朝のHR。

僕はその10分前に家をでる。

家から学校まで大体電車に20分揺られれば着く。


つまり僕の学校生活は、1限目の途中から始まる。



それなのに、今日ときたら8時には学校に着いていて、
ゆっくりゆっくり階段を上がったのに、8時6分には屋上で寝転がっていた。



『これ…遅刻って言うのかな。』




そして、僕は期待していた。



あの女の子が屋上に来ることを。



『またね。ってことは、また会うってことだろ?』



明日も来るかどうかも聞かれたし…



『今日は…名前聞いてみよっかな。』



どうやって聞こう…とか、なんて名前か当ててみようかな…とか、
いろいろ考えてるうちに、校庭が騒がしくなってきた。


『…みんないつも早いんだなー。』


いや、これが普通なのか。




『俺が遅すぎなんだな。』



はははっ…と乾いた笑いをしながら寝転がる。



『…ねむ…………』




久しぶりに早く起きたせいか、まぶたがなまりのように重く感じる。



『…あの子くるまで…寝てよっかな…』




僕はまた、昨日と同じように夢の国へと旅に出た。








――…………風が…つめた…





『いいっ?!!』




がばっと勢いよく起き上がったら、頭がクラクラした。



昨日と同じように、空はうっすら夕焼け色に染まっている。




『……うわぁ…。』



やるせなさに溜め息をつくと、
カーン!と音を立てて、空き缶が僕の頭に当たった。




『痛ッ!ちょっ…誰だよッ!!』


振り替えった瞬間、ザァッと強い風が吹いた。



缶が飛んできた方向に、あの子が
昨日と同じように座っている。

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