「ああ、大切だよ。
最近、交通事故や犯罪がやたら多いだろう?
キミたちが安心して学校へ行ったり、夕方にはちゃんと、お家へ帰れるよう見守ってやらなきゃあイケないんだ」
「ふーん」
健気なオジサンだ。
そんなオジサンを僕は大好きだし、凄く尊敬している。
だからこそ、僕はオジサンを哀れみ思う。
大人の男の人たち2人がオジサンの姿を写真に撮っている。
やけに興奮しながら撮影する姿を見て…
僕は複雑な思いになってしまう。
オジサンは好きで交通誘導のボランティアをやっているんだ。
排他的な思いでオジサンを見ないで欲しいし…
ソッとしてあげて欲しい。
オジサン自身、変な写真を撮られても平気な顔をしている。
コレ以上、オジサンを好奇の目に晒したくないと思った僕は…
思いきって、2つの物をオジサンに見せた。
オジサン…
自分自身の今の状態に気付いて…
ショックを受けちゃったみたい。
「そ、そうだったのか」
自分の姿を手鏡で見て、ガックリと肩を落とすオジサン。
「ずっと黙っていようと思っていたけど…
いつまでもサァ…