健気なオジサン?

ぐうりんぼ  2009-04-10投稿
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 こんな所にいちゃあイケないんだと僕は思ってたんだ」

「…」

 手鏡と…

 オカルト雑誌の切り抜きを見つめるオジサン。



「知らない方が…

 良かった?」

「イヤ、知るべきだよ」

「でも、ショックを受けたでしょう?」

「まあね。でもいつかはね、だれでも…


 その時を迎える。


 どう言う形になるか、分からないけどね。


 その時になったら、素直に状況を受け止めなくちゃならない」

「何だか…切ないね?」

「運命だからネェ」

 と、言いつつも…

 オジサン…


 やはり、どこか寂しそうだった。


 日が沈みつつあった。

「僕ももう、帰るよ」

「そうかい。ちゃんと教えてくれて、ありがとう」

「これから、どうするの?」

「家族が待ってくれていると思うからね。
 家族の所へ行くよ」

 オジサンは笑顔だ。

「それがイイね?」

 オジサンはこの後…

 一条の光に包まれて、天に上って行った。


 昔から、このボランティアをやっていたオジサンは…

 3年前にこの場所でクルマに轢かれて亡くなっちゃったんだ。

 オジサンもやっと…



 成仏出来ると思う。



 僕はそう祈りながら…

 僕自身が死んだ場所へ帰った。


 僕も成仏しようっと。



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