俺に家族はいない。
俺が中2の時、親父は物凄いアル中だった。
仕事もしていないプータローで自分の妻に金を稼がせては酒とパチンコにつぎ込むサイテー野郎だ。
終いにはこれでもかと言うほどの家庭内暴力。
お袋はそんな親父に我慢出来なくなり、とうとう家出した。
それを知った親父はこう言い放った。
親父「ーったく! 何やってんだあのクソアマは!! ほんの少しの金を稼ぐ意外なんも出来ねぇくせに!!」
これを聞いた俺はブチ切れた。
台所の一番長い包丁を手に取り、酒を飲んでる親父の背中におもいっきり突き立てた。
三畳しかない部屋に親父の叫び声が響く。
倒れたがまだ息がある。
俺「うぁぁぁぁあああ゛!!」
俺は我を忘れて包丁で親父を滅茶苦茶に切り刻んだ。
もう何回刺したか分からない。
親父はただの肉片と化していた。
そしてふと我に返る。
―俺が殺した…。
心臓がバクバクする。
絶望と不安に押し潰されそうになる。
だがそこにうっすらと達成感があったのを俺は頭の片隅で分かっていた。
数日後俺は路頭に迷っていた。
今親父がどうなったか確かめる術は無かった。
誰かに発見されたのかはたまたあのまま腐っていくのか―。
そんな事よりとにかく腹が減った。
金は無い。
このまま俺は飢え死にするのか―いや、俺は人を殺したんだ…今更何をやっても変わるまい…。
少年の心が道を踏み外した。