【ぱぱへの遺言】
俺が死ぬ5日前 まりもを抱きしめて涙を流しながら「昔の優しいぱぱにに変わるから ぱぱと仲良くして」と言ったものの 実際かなり不安だった
特に 俺が死んだその日は不安で不安で仕方なかった
悲しみのどん底にいるまりもを 更に悲しませるのではないだろうか
お願いだから 今日だけはまりもか何を言おうとキレないで欲しい
まりもは 少し物の言い方がキツイところがあるのは俺にもよく分かるよ
だから まりもがぱぱとケンカしたと俺に愚痴ってたときも「言い方変えてごらん」と諭した事もあったよ
でもね ぱぱもきちんとまりもの事見て欲しいんだ
まりもは 姑とは正反対の明るくてキラキラした子だから惹かれたんだろ
まりものキラキラが眩し過ぎて目を背けた時視界に入ったのが姑で ぱばの疲れた目に優しく映ったんだね
でも ぱぱが見なけりゃいけないのは まりもの方なんだ!
まりもは ぱぱと初めて会った時から何も変わっていないから あの頃のぱぱに戻ってくれ!
夜になって いつもと違う顔で帰宅したまりもに「どうしたの?悲惨な顔して」聞いてきたぱぱに まりもは俺が死んだ事を話した
話を聞き終わったぱぱは
「今から ひろあきさんの実家に行こう!俺が車で連れてってやるから」
それに対して まりもが「社員全員弔問禁止命令」の話をした途端 ぱぱは「おかしいだろ!」とキレ出した
「ひろあきさんが 毎日どんなに楽しく仕事してたか俺にはわかる 俺もそうだったからな だから ひろあきさんが一番会いたがってるのはお前なんだよ それなのに 会いに行けないなんて ひろあきさんかわいそう過ぎるわ!そんな自己チューな社長の会社なんか辞めてしまえ!」
まりもは ぱぱの前では一滴の涙も流さなかったが
お風呂の中で 大量の涙を流した
さっき ぱぱが言った言葉を何度も何度も思い出しては涙を流していた
その日を境に ぱぱは昔の優しいぱぱに戻った
ぱぱには 俺の事「会社の先輩のひろあきさん」と言ってあったはずだが…
同じ女性を好きになった者同士 口には出さなくても 分かってたんだね
俺とまりもの関係を