あすみは高校の友人と下校後のウィンドショッピングを愉しんでいた。突然、街にサイレンが鳴り響いた。
リバース警報だ。
リバース警報は災害でも無く、一般的な犯罪では無い。
リバースに対する物理的な対処は皆無である。
リバース対策班のガーダー達は、市民を安全な場所へ誘導し被害を最小限に留める。
唯一、有効な手段は現在これのみだ…
あすみ達の側にガーダーが駆け寄り、地下への道を示した。
あすみは、友人と共に地下に逃れた。
リバースは、人の負の精神が生み出した化け物である。押さえ込まれた感情が実体化し、本人とは真逆の思考と行動を取る。無差別殺人、強盗、強かん等…押さえ込まれ弾けた精神がいびつに実体化した化け物を生み出している。
時代のせいか、親のせいか、教育が悪いのだろうか…
リバース被害は年々増加の一途を辿っていた。
対策班は市民を守るガーダー、リバースを観察するウォッチャーを組織した。近年はリバースを生み出した本人を突き止めるチェイサーを作り上げ、新たな対策を模索している。
リバースを生み出したのは生身の人間で、本人は自覚がない。
本人の精神に安らぎや、落ち着きが出来ればリバースは消えるらしい。
対策班が手を打ち切れない理由はそこにあった。
まだまだ解明は必要であり、リバース出現は読み切れ無いからだ。