貴方とのお昼は何を食べようかって考えたけど
結局はその日は会議で貴方は12時を回っても戻らなかった
『また今度にしましょう』と書き置きをパソコンの間に挟み事務所を出た
一人のお昼は慣れていたけど何となく寂しかった
でもリスクを考えればそれがいい
お昼に二人で出掛けるのは危険過ぎる
変な噂が立って貴方に迷惑をかける訳にはいかない
少し安心はした
お昼は一人にしよう
期待はした
戻った時『今日はごめんね、夜にご飯行こう』って言ってくれる事
パソコンにメールが来てるんじゃないかって
どきどきしながらパソコンを開いたけど
期待は裏切られた
何もない
貴方は机に座っているのに
戻って来た私に見向きもしない
悲しくもこれが現実かって肩を落とした
四時過ぎにメールが入っていた
貴方からとは限らないし諦めていたから少しして開いてみた
そこにあったのは貴方の名前
『お昼は悪かったね。今日パスタのお店行く?』
思わずガッツポーズをしそうになる
ほら
やっぱり貴方は期待を裏切らない
お昼を一緒に行けなくて良かった
全ては結果オーライだ
六時過ぎに下で待ち合わせをした
幸いにも誰にも見られずに済んだ
金曜日はやっぱり人が多い
貴方と私の間を人が通り過ぎる
手でも繋げたら距離は縮まるのに
本当ならお酒が入っていない時にそうして欲しい
残念ながらお店は満席で
結局は私の知っているお店に行った
カウンターに並んでお酒を飲んだ
向き合うのには慣れていないから調度良い
貴方の横顔が好き
私を見る目も
話し方も
こうやって貴方に堕ちて行く
職場での貴方とはまた違うしきっと他の人も知らない一面を私は知っている
もっと貴方の奥まで入りたい
向こう側にある暗闇も閉ざされた未来も忘れて貴方を見つめる
もう好きにしてくれていいよ
傷も苦しみも背負う覚悟は出来たから