汚染 78

ふく  2009-04-12投稿
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もっと長く一緒にいたいと思うのは私だけだろうか

店を出て手を繋いで近くにある公園に行った
密着した足
温もりが伝わって来る
ずっと手を繋いでいられる唯一の時間
私の宝物
貴方が優しく頭を撫でるから笑った
泣かない様に笑った
真顔になったらきっと泣く
『優しくしないで』と言って笑った
それでも撫で続けるから
『私の頭がそんなに好きなんですか』と冗談を言ってみた
『頭が好きなんじゃないよ』
その続きはない
聞けなかったし貴方も言わない
言葉にしないと伝わらない事って沢山あるけれど
きっと言葉にしなくても伝わる事もある
貴方がそれを教えてくれている様な気がした

貴方の肩にそっと頭を置いた
今幸せを噛み締めていないとまた孤独になる

貴方が肩を抱き寄せて私の額にキスをした
切なくて温かい
このまま消えてしまいたい
誰にも咎められない世界へ

いつか来るだろう
この想いを伝えなければおさまらなくなる時が
それまでは胸に秘めておこう
きっと言葉にしなくても伝わってしまうけど
私の口から愛を告げたい

肩に埋めた顔を上げ貴方と唇を合わせた
一度だけ
そうしないと我が儘になる

『帰りましょうか』と立ち上がった
私から言わないと帰りたくなくなる

どうせ終電はない
貴方はそれを心配していたけど路線を帰れば帰れるからと心配させない様に笑った

駅まで向かうタクシーの中で貴方のアドレスを聞いた
やっと此処まで辿り着いた
『家では出来ないでしょうから』と言った私に『そんな事ないよ』と言った
分かっている
私からはしてはいけない
だったら何で聞いたのだろう
こんな事までしたら欲張りになるだけなのに



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