「すげェびっくりした
誰も居ないと思ってたから、マジでびっくりしたよ」
「ごめんごめん
私、藤本昌平君がそこに寝転がるまで藤本昌平君てわからなかったから、声かけられなくて」
晶は、転校初日ではあるがオレとは少しは会話した事があるって事でか
ここに来たのがオレで安心した、というような顔つきをした
「おまえ、ここで何やってんの?」
「今日、寝坊しちゃって
初めての授業なのに途中から入っていくのもなんか入りずらくて
ウロウロしてたらここに出たから、とりあえずここでくつろいでたの
藤本昌平君も寝坊?」
「えっ?
あっ、まぁ・・そう!」
その理由は、夜遅くまで目の前にいる
昨日、初めて会ったばかりのおまえの事が気になって中々寝つけなくて寝坊しただなんて
当然そんな事いえねェし
その寝坊する原因となった本人に
《寝坊?》
などと聞かれて
オレは返事にかなり動揺してしまった。
そんなオレの動揺を気付く事もなく晶は
「ねェ、私と藤本昌平君てなんかビックリのさせあいしてる感じだよね?」
「へっ?」
いまいち意味わからない晶の発言にオレは今度はキョトン
としてしまった。
「一番初め
藤本昌平君が起きた時、突然見ず知らずの私が隣に居てビックリして
次は私が藤本昌平君の携帯にビックリして
それで今はまた藤本昌平君が私にビックリして」
(なるほど)
とオレは納得しちゃってる。
「順番でいくと次は私がビックリする番だね」
晶は、そんな事を楽しげに話している
そんな晶を見ながら
オレはまたドキッっとしてしまう。
それからも晶は
いまいち訳わかんねー話を続ける
オレは
(ほんとに訳わかんねー女だな)
と思いながらも
まだまだ一時間目が終わらないでほしい
いつものメンバーがひょこっと入って来たりしないでほしい
二人のこの時間をもっと味わっていたいと
心の中で思っていた
オレは、完全に
晶に惹かれ始めているようだ・・。