高層ビル から スクランブル交差点 へ

LL=  2009-04-13投稿
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ノアの箱舟。

それは聖書の中にかかれた1つの逸話。

俺はキリスト教信者でもなければ、熱狂的な聖書ファンでもない。

だからなぜ神様が地球を一度洗い流したのか、その理由は知らない。調べようとも思わない。

だが‥こうして人込みの中にいれば大体の想像はつく。

何よりも、ウザったい。五月蝿い。気持ち悪い。

神様もそうだったのだ。気持ち悪いぐらい増えた人間達を洗い流す。それは至極当然なこと。
誰もが思いつく最良の手立て…

それが行える手があれば行はずにはいられない。

全てを洗い流す、洗い流す、押し流す、押し潰す、飲み込む、打ち付ける、すり潰す、擦り切れる、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ…死ね。


自分が死んでもかまわない。
この歪んだ世界がなくなるというのなら喜んでこの身を投じよう。

ノアの箱舟がない現代で全てを洗い流す怒涛なる水の嵐を‥

こんなにも望んでいるのに‥

太陽は燦然と輝き、人波は途切れることなくうねり、ただその中の1つの水流として世界を生きている。


神よ、なぜ貴様は箱舟に人間を乗せた。なぜそれを許した。

なぜ蔓延ることしか考えない人間に箱舟を作らせた。
なぜノア達を乗せたのだ!

残虐に成り切れぬ神など人間より下級だと気付かぬか、周囲の敵意にぐらついた心は人間のように下級だと気付かぬか。

また蔓延った忌ま忌ましい人間達になぜ今なお「生」を与えている?

いつでも殺せる首輪(重力)をも人間は断ち切れるようになり、その檻(地球)さえも腐食させ、錆びさせる人間になぜとどめを刺ない!

臆するというなら私がやってやろう。
出来ぬというなら私がやってやろう。
させぬというならお前を殺してやる。

今、お前の下へといくぞ!

同時にこの雑踏のうねりからも開放される。

残り僅かだぞカビ達よ!
先ずは戒めに私の肉塊をうねりの中に投げ打とう。

そのうねり止めてやる‥‥



俺は途切れぬうねり目掛けて空を飛んだ。

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