貴方に貸していたDVD
返してくれた袋の中にお菓子が一つ入っていた
気付いたのは貴方が飲み会に行ってしまった後
お礼のメールをした
それから何度かやり取りをして次のご飯の日を決めた
貴方が『早く会いたい』と言った
『気になって仕方がない』と言った
『声が聞きたい』と言った
『抱きしめたい』と言った
初めて打ち明けられた
きっと私を好きになってくれている
『迷惑だよね?』と聞くから『好きです』と言いたくなった
『好き』と打ったそのメールは途中で消した
今はまだ駄目
此処で焦って伝える事は辞めておいた
もしかしたらすぐに貴方の気持ちも冷めてしまうかもしれないから
もう少し関係を温めてからでも遅くはない
本当にそれが貴方の本心なんだと実感出来たら伝えよう
『迷惑だったら二人でご飯に行ったりしませんよ』
当たり障りのない返事
貴方からの着信
『声が聞きたくて』
甘えた優しい声
大丈夫
私は貴方が望むならどんな時でもその思いに答えてあげるから
電車が来るまで話をした
酔った勢いなのか
もし明日この事さえも忘れてしまっていたら
『酔ってないよ』と言う言葉を信じた
貴方の想いを信じた
私もちゃんと答えたい
本当は私も貴方の声を聞きたかった
席が離れて話す事も少なくなった
その分貴方を見てしまう回数が増えた
その分貴方を想う気持ちが大きくなった
多分貴方も同じ
離れても近付いて行く想い
『好きです』と言えたら楽になれる
それと同時に罪は増える
好きになったのは私から
好きと告げたのは貴方から
貴方に好かれた事だけで私は自分が誇らしい
想い続けてやっと想われた
ずっと聞いていたい
愛する貴方の声を