−−翌日−−
私は、朝起きるのが苦手…。だから、なかなか起きられない。…が今回ばかりは、パチリと目が覚めた。
と、同時にドアをノックする音がひびく。相手はウィンだ。
「おはようございます。よく、眠れましたか?」
「うん。すごく、疲れたし…。」
ウィンは、微笑むと私に朝食がのった盆をすすめた。
「お食事を持ってきました。ごゆっくり…。」
と言い残し、ウィンはドアを閉めた。
[ウィン達の世界はスイートポテトが、私達で言うパンやご飯。つまり、主食である。]
と書いたが…まっっったく!!!その通り!!!
盆の上には、スイートポテト・コーンスープに、サラダ。
何故、主食をスイートポテトにしたか……私の大好物が、スイートポテトなのだ!あれは、おいしい!毎日食べても飽きないし!!
そんな、夢のような事を面白半分で書いたのだ。
私は、好物を半分残して最初の半分をペロリと食べた。あと、サラダと温かいコーンスープを口に運び、最後にまた、スイートポテトをペロリ☆
(幸せ……。)
その時またノックが鳴り響く。相手はまた、ウィンだ。
「お手数ですが…食事の後私とご同行願いたいのですが…。」
「あ…うん!わかった!」
と言って最後の一口をパクッと食べて、ウィンについていく。
――謁見の間――
皇帝陛下は、何やら思い詰めた顔をしている。
陛下は口を開いた。
「…実は…彼女にアレを…探させようと思っている…。」
これは、設定通り。だからわかる。
ウィンは目を見開き、叫ぶ。
「陛下!なにをおっしゃてるんです!?彼女にそんな事!」
「お父様。私も反対です…。彼女は記憶を喰う者によって記憶が失われてます。」
…いや、違います。
「そうです!それに、先日お伝えしたように、彼女は賢者の血をもつ者!
彼女の身に何かあったら…!」
だから、違うってば!
何、話を勝手に進めてんの!?
「だからだよ。賢者なら、アレを見つけられると思ってな…。」
あ、忘れてた…。アレって言うのは、この世界には記憶を喰う者の他にヤバイのがある。
それが、『アレ』ことレーウ゛ェル。