じゃん」
「なんだよ〜、お前がうまくいったら、その友達をと思ったのに〜」
「あのな〜、そのいつでも他力本願なのなんとかしろよ」
「自力でなんとかなるなら、合コンもしてないよ。俺達もう30代だぜ!お前は結婚する気ないのかよ?」
「俺か?俺は…」正の質問に、勇一は少し間をあけて「わからないよ。なんとも言えない」と、あやふやな答えかたをしてみせた。
「お前まさか…」
「なんだよ?」
「こっちの気があんの?俺はやだぞ」
「バカ!そんなわけないだろ。例えそうでも、お前には惚れないよ」
「それも悲しいぞ。親友として」
その、ばかばかしい会話を、いつ切り離すかタイミングを伺っていた、アルバイトの石田が、業を煮やして、割って入った。
「あの〜、中村さん、そのあほな会話は、いつまで続きます?」
「あほな?失礼だな〜?石田さん俺達にとっては、真面目な会話だよ」
「俺達?同類扱いするなよ中村〜」
「同類だろ?」「あのな〜」
「あーもう、中村さん、お客さんがお呼びですよ。昨日買ったみかんが、腐ってるって。早く行った方がいいっすよ」
「なんだよ〜。もう。勇一、この話はまた後でな」
「いいから行け」
正が行ったのを確認して、勇一は石田に例を言った。
「すいません。石田さん。俺もすぐ売り場に行きます」
「あっ、大丈夫ですよ。佐野さんと俺でなんとかなります。それより、荒木さんにもお客さんですよ。」
「俺にも?クレーム?」
「いえ、、裏口になんですが、お取引先ではないみたいですが…」
「…わかった。じゃあ、ちょっと売り場頼みます」
勇一は、石田に礼を言うと、その場をあとにした。
(場面は再び、ある女と男のもとに) (男)「なにか、思い出せました?」
(女)「いえ…、なんか、ちょっとばかっぽい会話だったなって」
(男)「いや、そうじゃなくて、あの人達を」
(女)「あの人達?私の過去に関係があるんですか?」
(男)「ええ。まあ続きをみますか」 そう言って、男は再び下を指差した。