二学期の終業式も終え明日から冬休みが始まる。小学校最後の冬休みだ。そう思うとなんだか切なさを覚えた。新品のランドセルを背負って当校したのが昨日の事のように思える。
体育館から戻ると谷川先生から出席番号順に成績通知表が渡された。恐る恐る成績通知表を見ると国語は一学期と変わらず“4”で一学期は“3”だった社会が“4”に上がっていた他は一学期と変わってはいなかった。音楽は相変わらず“2”のままだった。自慢ではないが僕は、大がつく程の音痴だ。おまけに不器用が手伝って笛をふくのもものすごく下手だった。
席に戻ると僕のところへ大介がやって来た。
「どうだった?」
「まあ、ぼちぼちってとこ。一学期と変わらずって感じで」
「そっか。俺もあんまり変化はなかったよ。体育も“5”のままだった」
大介は少し自慢気に言った。大介はスポーツ万能で走るのもとても早い。今月行われた校内マラソン大会では“内田知和”に敗れ、惜しくも一位は逃したものの二位だった。僕はと言えば学級委員長の泰明に続いて十二位だった。どちらかと言えば後ろから数えた方が早かった。それでも一応、体育は“3”だった。
「さっき優衣ちゃんから聞いたんだけどクリスマス会、日が変わって二十五日にする事になったみたいだよ」
「そうなんだ。二十五日か。今年も加奈の家でやるの?」
「ああ、今年も加奈んちだってさ。あっそれからお前チョコレートのケーキと生クリームのケーキどっちがいい?」
「うーん、難しい質問だなぁ。どっちも好きだからなぁ」
「優柔不断な奴だな」
大介がニヤニヤしながら僕の顔を見て言った。僕は典型的なAB型だ。
「皆はどっちがいいって言ってんの?」
「去年はチョコレートだったから今年は生クリームがいいってのが女子の意見。俺は個人的にはチョコレートの方がいいんだけどなぁ」
「ふぅん、そうなのか。まっ、ここは女子の皆さんの顔を立てて生クリームにしとこうか」
「紳士らしくってか」
そう言って僕達、二人は顔を見合わせて笑った。