森宮は、聖人に胸ぐらを掴まれたままの状態で、必死に自分の言い分は正しいのだと主張した。
『その盛りのついた雌豚の相手をしているのが、盛りのついた猿同然のテメェだろうが?!森宮!!アァ?!』
グググッッ―ー‐
胸ぐらを掴んでいる聖人の手に力が加わり、森宮は更に高く突き上げられた。
『く‥苦しいよ、北岡君‥‥は‥離して‥‥お‥お願い!!』
森宮が涙目になりながら、聖人に訴える。
『そうはいかねぇな。テメェが今まで犯してきた罪はデカイと思うゼ?!
俺はテメェの様な卑怯なヤツが一番許せねぇ。
とりあえず秋田谷とは今直ぐ別れろ。』
聖人の鋭い眼光が森宮に突き刺さる。
グググッッ―ー‐
『ヒィッッ‥‥わ、分かったよ‥‥。
だ‥だから‥‥その手を離して!!
お願い!!』
あたしは、森宮の姿を見て、情けないって思った。
そして、
ユカがかわいそうだと思った。
『‥‥しっかり今の言葉、聞かせてもらったゼ!!』
聖人は、そう言ってから、掴んでいた森宮の胸ぐらを離した。
『ハァ‥‥ハァ‥‥。で、でもさ‥‥北岡君 。君が思っているほど、女って生きモノは、純情ではないと思うよ?!』
聖人に掴まれていた胸ぐらを離されるや否や、森宮が言った。
『何が言いたい?!』
聖人の眼光が、また鋭く光る。
『さっき言った通りサ。女のコなんて、みんな純情そうなフリをしているだけサ。
君の彼女のコトだって、僕は知っているよ。
だって、君みたいな有名人の彼女の噂だよ?!
みんな知らないワケ無いでしょ?!』