奈央と出会えたから。<348>

麻呂  2009-04-15投稿
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たった今、目に涙を浮かべていた筈の森宮が、今度は何を言いたいのか、あたしの話題にすり替えた。



『ねぇ‥‥君さぁ、小6で妊娠して、コドモを堕胎したんだってね?!

でサ、その相手って、義理の父親なんだってね?!』





な‥何‥‥?!



何でそんなコト知ってるの?!





森宮は、あたしに向かって更に話し続けた。



『純情そうな顔して、やるコトやってるんだね?!

僕と同じ匂いがする!!

ねぇ、僕達気が合いそうだね?!

奈央ちゃん♪』



森宮が、あたしに、ニッコリと微笑み掛ける。



やだ‥‥‥。



あなたとあたしは同じじゃないっっ!!


やめてっっ!!



一緒にしないでっっ!!





そのトキだった――




ドスッッ―ー‐





聖人の右ストレート――





左フック――





辺りに響いた鈍い音とともに、





目の前の森宮が、一瞬にしてその場に崩れ落ちた。





それは――





あたしが初めて――




聖人が先に手を出したのを見た瞬間だった――





その場に崩れ落ちたモノを――





ただ――





冷たい瞳で見つめるあなたの姿に――





あたしは――





ただ立ち尽くしてしまい――





何も言えないままで――





『やめてえぇぇ―――――ッッ!!』

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