[レーウ゛ェル…それは、見た目は何の変哲のない…美しく小さい宝玉をいくつも繋げたブレスレット。だが、その宝玉は人の魂を沢山吸った…といわれる、いわば『呪われたブレスレット』と言われている。それを一度はめた者は…生きては外せない…。]
と小説にかいた。ウィンに説明されたが、ま〜〜〜っったく、その通り。
『知ってるよ』
と言ったら、
「流石に、これは覚えておいでか…。」
と言われた…。私は、陛下に向き直り、答えた。
「私…行きます。」
「おお…行ってくれるか…。よろしく頼む。…ウィンベル。彼女と同行しなさい。それと…少しの戦術を。彼に頼む。」
…今、戦術って言った?
「はっ!リクさん。こちらに。」
ちょっとまてぇぇぇ!私、全然運動出来ないよ!?50m走っただけで限界なのに、戦術なんてもっと無理ぃぃぃぃぃ!!!
その後、私は訓練場に連れてかれた。
ウィンが声をかける。
「カーフェイさん!いますか?」
あ、知ってる。つか、設定にある。
その時、
「あ〜ウィン!!何度も言うけど、『さん』はやめろって!」
騎士団長にタメ口、はいこれも設定通り。
「いえ…これは、染み付いてると言いますか…。
そんな事より、彼女に戦術をお願いしたいのですが…。」
カーフェイと名乗る彼は、満面の笑みをうかべて大きく頷いた。
「マジ!?そーゆー事なら任せとけ!!」
そういって、私に向き直り自己紹介をした。
「俺、カーフェイ・エシラド!カーフェイでいいぜ!」
カーフェイ…歳は私と同じ18。とは言え、私と彼とじゃ背丈が違う…。彼は、とにかく体を動かすのが、だぁ〜〜〜い好き…。そんで、人なつっこい。
「ウィン〜。この子を鍛えさせるんだよな!?俺、ビシバシいくぜ!」
やめてぇぇぇ!
ビシバシきたら、体力もたない〜〜〜!
「ええ。でも、加減はしてください。相手は、闘い経験が全くない女性なのですから。」
そう言い残し、ウィンはたちさる。カーフェイは私をじっと見て、
「おまえ…名前は?」
「本……リク・ホンマです。」
多分…名字から言ったらカーフェイも名字が名前と勘違いするだろう…。
カーフェイはニッコリ笑って私を見つめる…。
………怖い……。