そいつは真っ直ぐにこっちを見ていた。ヤバイと思った刹那、どこからか声が聞こえて来る。と同時に義春は光に包まれた。
「ここは一体どこだ?みんなが危ないってのに。」
「ここは君の思考の世界。」
「誰だおまえ!どっから来た!」
突然現れた人にビックリする義春。
「落ち着いて、敵ではない。君たちにロボットの情報を伝えに来た。」
女だろうか?声の主は落ち着いた様子で言った。
「ロボットの情報?」
「そう、それを伝えるために脱走し、今のピエロの姿になった。」
ピエロと言われてやっと誰だか分かった義春。
「それはどういうことだ?元は人間だったってことか?」
「そう、ロボットは人間からできている。私のように思考が残るのは珍しい。まぁ意志と関係なく行動するからあまり意味はないがな。」
「なるほど、大体は分かった。でロボットは一体どこで作られてるんだ?」
「それは・・・」
声の主が場所を言おうとしたまさにその時、声の主の体に何本もの氷のトゲが突き刺さった。同時に声の主の姿が乱れる。
「どうやら体がやられたらしい。これ以上は話せ・・」
そう言って声の主は消えていった。視界が元の教室に戻って来る。空には晴れ間が見えていた。