１．初恋
奈々美はどこでもいるような普通の高校生で
普通の恋愛をしてきて 普通に付き合って 時には別れて
特別な高校生なんかじゃなかった。
「奈々美〜！今日一緒に帰れる？」
長い廊下を駆けながら隆史がやってきた。
「うん！かえれるよ☆帰ろう♪」
奈々美は笑顔で答えた。今日は二人が付き合い始めてから３ヶ月目だった。
「ねぇ、隆史。今日は何の日だー？」
「うーん、何の日？えっとぉ…」
「うっそー忘れてるのぉ？」
「冗談！今日で３ヶ月だね☆これからもよろしくね♪」
「うん!!隆史、これからもずっとずっと一緒だよ☆★」
「ぉぅ！ずっと一緒に居てね。」
奈々美は幸せだった。奈々美にとっては初恋で、初めて付き合った彼で、こんな幸せがずっとずっと続くのだと思っていた。
中学を卒業すると二人の恋は始まり、同じ高校に入学して、度々一緒に帰っている。喧嘩など一度もしたことがなくて、本当に仲がよくて。何かを求めるわけじゃなく、ただ本当にお互いがお互いを好きだった。
<つづく>
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