『家に着いたよ』と貴方からの電話
遅くまで引き止めてしまった
それを詫びると貴方が『俺はもっと一緒にいたかった』と言ってくれた
またいつでも出来る
同じ事務所の特権
貴方はいつも仕事の愚痴を言うけど
仕事に楽しみがないと前に言っていたけど今はどうだろう
だから聞いた
『少しは楽しみを見付けられましたか?』
すぐに答えてくれた
『今は事務所に来るのが楽しみだよ、毎日顔を見れるし会えるから』
私も同じ
『私も会えるだけで十分です』
私の頭を優しく撫でてくれる貴方が好き
貴方もこの感触が好きだって
この時が一番落ち着くんだって言ってくれた
また会えるのに此処に貴方がいないのが辛い
もっと一緒にいたかった
本当は私もそうだった
私達の周りの邪魔者なんて全部なくなってしまえばいいのにね
何も気にせず貴方に恋をして想い合えたらどんなに毎日が輝くだろう
考えても仕方がない
出会ってしまったのだから
お互いを受け入れてしまったのだから
『おやすみなさい』
それを最後に電話を切った
耳が熱い
貴方の声を必死に拾おうとして感じようとして
受話器を強く押し当てていた