wall〜壁〜3

タロウ  2009-04-17投稿
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「チョットいい?」
「あのさぁ、今度の週末にスゲェ面白いパーティーがあるんだけどさぁ。」
「一枚6000円でいいよ!いくら持ってる?」

帰宅途中の学生や、見た目が学生の通行人に少年は話かけている。

手には輪ゴムで束ねたパー券。

近所の高校の校門横にある、細く駅まで続く道で
少年は友達二人と共に、学生を呼び止めてはパー券を押し売りしていた。

「いりません。」

頑なに断る学生に対しては、乱暴に金銭のみを奪った。

「おい!何してる!」

メガネをかけた中年の大人が少年たちに、物凄い形相で話かけてきた。

「おっさん何?なんか用?」

力の抜けた声で少年が言うと、

「私は、この学校の教師だ!」

少年たちは、蜘蛛の子を散らすように逃げた。





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