「チョットいい?」
「あのさぁ、今度の週末にスゲェ面白いパーティーがあるんだけどさぁ。」
「一枚6000円でいいよ!いくら持ってる?」
帰宅途中の学生や、見た目が学生の通行人に少年は話かけている。
手には輪ゴムで束ねたパー券。
近所の高校の校門横にある、細く駅まで続く道で
少年は友達二人と共に、学生を呼び止めてはパー券を押し売りしていた。
「いりません。」
頑なに断る学生に対しては、乱暴に金銭のみを奪った。
「おい!何してる!」
メガネをかけた中年の大人が少年たちに、物凄い形相で話かけてきた。
「おっさん何?なんか用?」
力の抜けた声で少年が言うと、
「私は、この学校の教師だ!」
少年たちは、蜘蛛の子を散らすように逃げた。