聞いてみたかった
ちゃんと聞いておきたかった
臆病な私は捨てて耳に残したかった
『一つだけ聞いてもいいですか？』
そう言った後躊躇った
『気になるから言えよ』と貴方が笑った
溜め息を一つ着いて聞いた
『私の事、好きですか？』
今更何を言っているんだと言いた気な貴方の表情＼r
優しく微笑んで『大好きだよ』と言った
欲張りになってまた聞いた
貴方が前
自分にない物を持っている人に惹かれると言っていたから
『俺には無い寛容な心が好き』
『仕事面でもだけど良く色んな事に我慢して頑張っているとこが好き』
『見た目は可愛らしいのに大人の心を持つとこが好き』
私はそんなに利口ではない
貴方の前ではまだ我が儘も言った事はないし
利口な振りをしているけど
本当は我が儘で寂しがり屋で弱い部分を貴方は知らない
だとしたらそれを貴方が知る時が来て
私の事を嫌いになったりするのだろうか
正直に言ってくれて良かった
貴方の口から聞けた『好き』の言葉
だから私も素直に言えた
『私も好きです』と
すれ違っていた想いが今重なった
『初めて会った時から気にはなっていた』と打ち明けてくれた
『その目がずっと好きだった』
『私も初めて会った時から憧れていました』
貴方が『何か照れる』と言って恥ずかしそうに笑った
もう一つどうしても聞かないといけない事がある
ちゃんと貴方と付き合う為に
聞いていいのかは分からない
聞いて傷付くかもしれない
でも避けては通れない事
『前に好きな人がいるって言ってましたけど、その人とはどうなんですか』
貴方から目を反らして答えを待った
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