「もしも世界が明日破滅したらどうする?」
急に聡太が言う。
「..は?」
「だーかーら、もしも世界が明日破滅したらどうするのかって聞いてんの。」
質問の意図がまったくわからない。
コイツは酔っぱらってるの?
「うーん。じゃあ美味しいもんをいっぱい食べる。」
「やっぱりなあー。美歌は花より団子派だもんなー。」
聡太は持っていたビールを飲んだ。
「じゃあ聡太はどうするの?」
なんかバカにされたのがムカついたから、聡太にも聞いてみた。
「俺?俺は..あ、俺は別にいーわ。」
明らかに何か言おうとしたのにやめた感じ。
「そんなん言われたら気になるじゃん。言ってよー。」
私は手に持ってたファジーネーブルを飲んだ。
「..彼女と一緒に過ごす..。」
私の中で時が止まった。
聡太は「あー俺めっちゃクサイわー。すげー恥ずかしい。」って言ってる。
自分が用意していた答えとは正反対すぎて、なんか笑えた。
聡太には彼女がいる。
何を期待してたんだろう..
「でもな、美歌とこうやって飲みながら過ごすのもいーな。」
なんて言って私が大すきな笑顔で笑った。
ばーか、そんな顔しないで。
そんなこと言わないで。
あほな私はまた期待しちゃうから。
地球は破滅しなくていーから
私のこの気持ちを破滅してよ。