季節は過ぎて6月、夏服になった。
私達の学校は女子の夏服はセーラー服になる。
初めてきるセーラー服にちょっぴりワクワク。
髪も伸びてポニーテールができる様になっていた。
「前田、今日放課後会議」
「あっそうだった〜」
その日は、学校行事の夏祭りの実行委員会だった。
「だいたいなんで兼任なわけ?」
学級委員と夏祭り実行委員は兼任となっており、夏祭りが一学期の学級委員のラストの仕事でもある。
「仕方ないでしょう?」
久遠ともだいぶ仲良くなった。相変わらず横暴だし、マイペースだし、口悪いけど…意外に優しいとこやリーダー的なとこ、不器用なとことか知って…嫌いではなくなった。
「まっ、でもこれで終わりだしな…」
「…うん」
「んな顔すんなよ、ブスがますますブスにみえんぞ」
「うるさいぃっ」
「委員が終わるだけだ」
「そう…だね」
「髪伸びたな…」
「あぁ、髪型?セーラー服だし変えてみたの。またブスが何してもとか言うんでしょ?」
私は冗談のつもりだった。
「…バカ。」
そう言った久遠の顔は、切なそうに見えた。
私はどんな気持ちなのかも何もわからずに…
ただ心だけがモヤモヤしていた。