人の赤ん坊がコンビニの駐車場の隅に捨てられた。
コンビニにやってくるネコが赤ん坊の側を通る。
コンビニから出てきたネコが赤ん坊の側を通る。
あるネコは「可愛い」と言って頭を撫でる。
あるネコはコンビニで買った食料(大概、サカナや鳥肉だ)をちぎって与える。
あるネコは汚物をみたかのように避けて通る。
あるネコは、そこにいる赤ん坊に気付かずに、帰ってゆく。
赤ん坊は、ネコ達から与えられた食料で、生き延びた。少しづつ成長した。
しかし未だに自力で生き延びる術をお前は知らない。
今日も頼りなく、泣きそうな声を発しながら、コンビニにやってくるネコにすがる。コンビニから出てきたネコにすがる。
そうやって得た僅かな食料で、お前は今日も生き延びる。
コンビニの入口のドアに『赤ん坊にエサを与えないで下さい』という張り紙があることを、お前は知らない。