薄暗い部屋………そこに四人の男と二人の女。一つの水晶を眺めている。
「この子が…」一人の男がつぶやく。水晶の中には一人の高校生くらいの少年が映っていた。「早く迎えに行かないと奴らが………」一人の女が言う。「あぁ、急ごう。」そして六人は薄暗い部屋を出て行った。
暗い路地………
「うぅー…寒い…」水晶に映っていた少年が歩いている。後ろから誰かが近寄ってくる………コツ…コツ…コツ…少年はハッとする。…コツ…コツ…コツ…
「だ、誰だ！！」
…コツ…コツ…コツ…………足音が止まった。すると黒い服の男が現れた。帽子をかぶっていて顔が見えない。
「だ、誰だよ！？俺になんかようか！？」
すると月光が黒い服の男にあたり、男がニタリと不吉な笑みを浮かべているのがわかった。するとようやく男が言葉を発した。「君は選ばれし者だ。君はこの世界を救うために生まれてきた。」少年には意味がわからない。「だから君は邪魔なんだよ。」すると男が目にも留まらぬ速さで少年に向かい走り、そして腕で少年の胸、心臓の辺りを貫いた。男は腕を少年の胸から抜き、再び暗闇の中へ消えていった。不吉な笑みを浮かべながら…………数分後、六人が到着した。「くそっ！遅かったか………」六人の目線の先には胸に穴の開いた少年が一人………。
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