親愛なる妻へ
小学6年の頃、同じ保険委員だった妻へ
夢を追いかけてストリートでギターを片手に歌ってた時、毎回最前列で聞いてくれてた妻へ
事業に失敗して死のうとした時、涙を流して励ましてくれた妻へ
画家を目指してた時、とても素敵な笑顔でモデルをしてくれた妻へ
学生運動で警官隊にメッタ打ちにされて逃げるように四畳半の風呂無しアパートに帰ってきた時、とても心配そうな顔をして手当てをしてくれた妻へ
お揃いの特攻服を着て単車でタンデムを決めて夜の街を走ってた妻へ
泥沼のベトナムで意味も分からず戦い、右腕を失ったとき、天使のような笑顔で止血してくれた妻へ
お互い歳取ったなあって君に 名も知らないとても小さな、とても明るい紫の花を差し出して 少し照れ臭い顔で一言ささやくのさ
愛してるよ
今までも これからもね