透明な孤独。

アイ  2009-04-21投稿
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透明な孤独を震わせてあなたは笑った。

その笑顔が忘れられない。

細い声が忘れられない。

いつも胸を締め付けるだけ。

悲しいだけなのに、なぜか。

もう一度だけ、あなたに会いたくなるのです。

遠い昔のようで。

でも全然近い過去。

二人の間にあったのは憎しみと。

互いを牽制し合う寂しい自己愛の心だけ。

たったそれだけの繋がりで。

一人になりたくない私たちは、無意味に一緒の時を過ごした。

嫌な過去。

プライドをズタズタに裂くような。

おぞましくやり切れない切ない過去。

でもね。

今は痛くても、いつかいい思い出になるとわかっているから。

だから余計に悲しいの。

決して綺麗なものじゃなかった。

殺してやりたいくらいの憎悪が、そこには確かにあったんだ。

だから私は、『思い出』にはしないでおこう。

あの時の気持ちを忘れないために。

ただガラス細工のような繊細な箱に閉じ込めて。

それを砕いてしか思い出せないように。

はかない音と共に飛び散るガラスの破片に。

指を傷つけられて、血のにじむ思いを伴ってしか思い出せないように。

あなたをしまっておく。

あの光るような、透明な孤独と共に……。



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