いつかまた信じられる日まで?

夏姫  2009-04-21投稿
閲覧数[670] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「姫。…玲と彼女って、付き合ってから10ヶ月たってるらしいよ」

私のことを『姫』と呼ぶのは、今のところ二人しかいない。

一人は今付き合っている桜田優司、もう一人は今話している佐々木弘人。

そして、『姫』こと私、山下秋那は、今信じられないことを聞いた。

「どうゆうこと?だって、その頃って…」

「だから言いたくないって言ったのに…。傷つくのは姫なんだから…」

そう、10ヶ月前は、まだ私と玲は付き合っていた。

ちょうど、6月頃の話だ。

「…二股?」

「…そうゆうことになる」

雷が落ちた気がした。

弘人の言っていることが嘘だと思う反面、あぁ、やっぱりなと思う自分もいた。
ちょうどその頃から、玲の態度がそっけなく感じられるようになったから。 「…何だ。そうだったの」

「姫…?」

「大丈夫だよ。別に気にしてないから」

そう言って、無理に明るくふるまった。

…裏切られたんだ。

…好きだったんだけどな。

…まぁ私から振ったんだけど。

「姫。玲と話したら?言いたいこと、あるでしょ?」

この声は…優司だ。

「何が?別に何もないよ?」

「だめだ。話をしなさい!」

そう言って、無理矢理玲との電話をつないだ。

『…何』

「10ヶ月もだましてくれてアリガトウ」

『…別にだましてたわけじゃ…』
「じゃ、何なのよ」

『いや、そうなんだけれど…』

もう、いい加減にして欲しかった。

『でもさ、そっちだって一緒だろ?』

「…何が」

『そっちだってさ、もうどーでも良かったんだろ?』

「違うし!私はずっと待ってたんだよ!玲のこと、ずっと…。信じて…、待ってたのに…」

『…え?』

「ずっと待ってたのに…。何なのよ!」

『そっか…。…ごめん。…本当にごめんね』

「…何で謝るのよ!…何で…」

「姫…。大丈夫?」

「優司…。ありがとう。ごめん。本当、心配かけてごめん」

「…無理すんな」

そうして、私は優司の前で泣いた。
思いっきり、涙が乾くまで。

そして、その後優司がかけてこなくなるとも知らずに…。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 夏姫 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ